東芝グループ、知財戦略の強化で共創サイクルを推進
東芝グループは、新たな価値創出を目指し、知的財産を活用した共創サイクルの構築を進めている。その中核となるのが、「全体を俯瞰した知財戦略の構想」「知財アセットの最適化」「知財のオープン/クローズ」の3つの取り組みだ。
なげていきます。
「全体を俯瞰した知財戦略の構想」では、デジタルエンジニアリング(DE)、デジタルトランスフォーメーション(DX)、クオンタムトランスフォーメーション(QX)などの変革やデータ活用の重要性を踏まえ、外部環境の変化や保有する特許、ノウハウなどの知的財産を総合的に分析。経営戦略と連携しながら、知的財産の活用方法を設計し、顧客への提供価値の最大化を目指す。
また、「知財アセットの最適化」では、知的財産権だけでなく、技術・ノウハウ、人材・技能、ブランドといった知的資産の構成を的確に把握。不足する知的財産の取得や機密情報の管理を徹底することで、知財ポートフォリオの質を向上させる。
さらに、「知財のオープン/クローズ」戦略を通じて、独自の技術を保護しながらも、最適化された知的財産を活用し、企業や顧客との共創を促進。これにより、東芝グループ単独では解決が難しい社会課題にも対応し、企業価値の向上を図る考えだ。
同社は、これらの取り組みを通じて、持続可能な事業成長と技術革新を推進していく方針を示している。
東芝グループ、知財戦略を強化し提供価値の最大化を目指す
東芝グループは、知的財産を活用した企業価値の向上を目的に、知財戦略の強化を進めている。特に、事業の上流段階から知財部門が積極的に関与することで、競争力のある製品・サービスの創出を支援する取り組みを強化している。
知財部門は、ビジネスデザインの初期段階から事業部や研究所と連携し、特許情報の収集・分析を実施。これにより、東芝グループの強みを活かせる領域を特定するとともに、新たな価値創出に貢献できる企業や顧客(パートナー)との協力機会を見出す。また、ビジネススキームの構築やリスク対策に関する提言を行い、知財の観点から事業戦略を支援する。
さらに、デジタルエンジニアリング(DE)、デジタルトランスフォーメーション(DX)、クオンタムトランスフォーメーション(QX)といった技術革新を踏まえ、外部環境の変化や経営戦略を総合的に分析。知的財産の活用方法を検討し、顧客への提供価値の最大化を図る。
製品・サービス化のフェーズにおいては、知財戦略に基づき、東芝グループおよびパートナー企業の事業継続を確保するための知的財産の取得や、リスク軽減のためのクリアランスを実施。さらに、持続可能な協力関係を構築するための契約対応も行う。
同社は、これらの取り組みを通じて、知的財産を活用した価値提供を推進し、社会課題の解決と企業価値の向上につなげていく方針を示している。
東芝グループ、知財アセットの最適化を推進—年間7,000件超の特許出願
東芝グループは、知的財産戦略の一環として、各事業の注力領域に応じた特許出願を戦略的に実施し、最適な特許ポートフォリオの構築を進めている。知財戦略の構想に基づき、技術的優位性を確保するため、事業ごとに重点分野を選定し、知的財産の強化に取り組んでいる。
同社の特許出願数は年間約7,000件にのぼり、そのうち半数以上は海外出願となっている。これは、グローバル市場での競争力を高める狙いがあり、各国の市場動向や知的財産制度を踏まえた戦略的な出願活動を展開していることを示している。
また、過去3年間にわたる特許出願数の推移を公表しており、一貫して高水準を維持していることが明らかになった。これにより、同社が知的財産を事業成長の重要な要素と位置づけ、継続的に技術力の強化を図っていることが伺える。
東芝グループは、今後も知財アセットの最適化を進め、知的財産を活用した事業競争力の向上と企業価値の最大化を目指していく方針だ。
東芝グループ、知財のオープン/クローズ戦略を推進
東芝グループは、知的財産の管理において「オープン」と「クローズ」の両戦略を採用し、事業の競争力強化と社会課題の解決に取り組んでいる。
差異化技術については、自社の優位性を確保するために秘匿化(クローズ)し、製品やサービスの付加価値として提供。一方で、単独では解決が難しい社会課題に対しては、共創に資する知的財産(共創知財)をオープン化し、パートナー企業との技術協力を促進する。
この取り組みにより、技術イノベーションの加速、市場やコミュニティの拡大、新たな価値の創出につながり、社会課題の解決と企業価値の向上が期待されている。
東芝、ブランド保護と知的財産活動を強化
東芝は、企業価値の象徴である「東芝ブランド」の保護に向けた取り組みを強化している。商標権の整備や模倣品の排除に注力しており、国内外の模倣品対策団体と連携し、政府機関への取締強化を働きかけるなどの対応を進めている。模倣品の流通は、ブランド価値や社会的信用の低下につながるだけでなく、消費者が誤って購入し、期待した性能を得られないリスクや事故の可能性があることから、引き続き監視を強化する方針だ。
また、東芝グループは「特許大会」を開催し、事業活動への技術貢献が顕著な特許や、将来的な事業創出につながる特許を表彰している。2023年度には「事業貢献賞」として5件、「未来価値創造賞」として2件を選出した。さらに、知的財産に関する啓発活動の一環として社内向けの「Webinar」を提供しており、2023年度には1,700回以上の視聴があったという。
同社では、無線LANの干渉を回避する気象レーダー技術や、原子力発電所の汚染水処理技術、大型二次電池の高性能化など、幅広い分野での技術開発を推進。加えて、青少年の科学技術への関心を高めるため、「川崎さいわい少年少女発明クラブ」の活動にも力を入れており、今後も技術の普及・啓発に取り組んでいく考えだ。
参照元:https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/ip/strategy.html



